つる舞う形の何とやら

群馬在住者の記憶、アレやコレ

群馬県の女性について思う

私は生まれも育ちも群馬県である。そして私の両親とそのまた両親(私からすれば祖父母)も生粋の群馬県民である。
そんなこともあり、今まで私は人生の大半を群馬の女性と共にしてきた。
その経験を得て、私が群馬の女性について思うことをダラダラ書いていこうと思う。

まず、群馬県と言えば「かかあ天下」であるが。群馬で言うかかあ天下はただの「夫を尻に敷いている妻」ではなく「うちの妻は天下一の働き者」という意味も含んでいる。
群馬は昔、養蚕業が盛んだった為、夫よりも妻のほうが稼ぎが良い家も多かったことからこの呼名が定着したと言う説もあるらしい。

しかし、現在において上で説明した「かかあ天下」が群馬の女性を象徴するワードかというと、イマイチしっくりこないような気がする。あくまで個人的な意見だけど。
まず、現在の日本では「夫を尻に敷いている妻」がいる家庭はそう珍しくもないだろうし、「夫よりも稼ぐ妻」は群馬県よりも都心方面に集中している気がする。
よって「かかあ天下」はもはや群馬県の女性だけのものではなく、日本の女性全てのものになっているのである。まぁもともとかかあ天下という言葉に著作権がある訳じゃないけど。

しかし、こういうのはプラシーボ効果的なものなのか、「群馬の女性はかかあ天下」と言われて育ってみると、まわりの女性が何だか他の県民に比べて気が強い女性が多いように見えてくるものである。
若い世代はそうでもないが、40代より上の人となると女性でも結構強めの口調で話す人が多いように思う。これは田舎に行けば行くほど強い口調になる。強い口調だけど、決して怒ってはいない。

中学生の頃、群馬育ちの国語の先生(結構年代高めの人)が「私が大学で寮暮らしをしてた頃、実家の母と電話で話していたら、隣の部屋の子が私が誰かとケンカしてるんじゃないかと思って心配で見に来た」という話を聞いたことがある。口調が強い故に他県の人からすれば何やら言い争いをしていると誤解されがちであったらしい。壁薄かったのかな。

そういえば田舎のおばあちゃん家に行くと、自分のことを「オレ」と呼ぶ近所のおばあちゃんが遊びにきている時がある。ワイルドでカッコいい。
昔それが気になって母に何故なのか聞いてみたら「何故だか分からないけど田舎の農家じゃ珍しくないよ」と言われた。かかあ天下世代、すごい。

そう言えば上の方で紹介した「かかあ天下」の由来の他にも違う意見を聞いたことがある。私が以前長野の善光寺に行った際に途中でお世話になったタクシーの運転手さんが「群馬の男は博打打ちが多くて奥さんが財布の紐握っとかなきゃいけないから、自然とかかあ天下になるんだろうね」と言っていた。
確かに群馬は競艇とか競輪とかオートレースとか、昔は競馬もあってギャンブルのメッカであることに違いなかった。まさか長野県のおじ様に言われたのには少し驚いたけど、そんなところも一昔前の群馬の女性が「かかあ天下」と呼ばれる理由だったのかもしれない。でも昔に比べると今の群馬の若い世代は博打打ちってイメージはないんだよね。時代の流れか。



結局は今のところ「群馬の名物、かかあ天下」ではなくなりつつあるけど、日本全体で見ると強い奥さんが増えて来て「みんなのかかあ天下」になってきているみたい。うまくまとめられないけど。

まぁでも、昔から言うよね「母は強し」って。
群馬だけじゃなくて、この世の全てのお母さんは強い生き物であって欲しい。